マグネットタンブラーは絶対にピッキングが不可能なの?

Home / マグネットタンブラーは絶対にピッキングが不可能なの?

マグネットタンブラーというのは、磁石のN極同士あるいはS極同士の反発力を利用した施錠システムになります。具体的には、外筒と内筒にまたがるようにしてピン状のマグネットタンブラーが何箇所か配置されています。一方、鍵自体にも何箇所かマグネットが埋め込まれており、鍵穴に鍵を差し込んだ際に内筒を固定していた全てのマグネットタンブラーが反発をすると外筒に収まることにもなるので、内筒がスムーズに回転することができるようになります。その結果、ドアを固定していたデッドボルトも解除されるので、ドアが無事に開くというようになります。ところが、鍵に埋め込まれているマグネットの配列や極が違うと、全てのマグネットタンブラーが反発できないので、当然内筒もスムーズに回転することができないということにもなります。

それでは、マグネットタンブラーは絶対にピッキングが不可能なのでしょうか?その答えは、ディスクシリンダー錠を解錠するような一般的なピッキングでは、100%と言っていいくらいに不可能に近いでしょうね。どうしてなのかと言いますと、マグネットタンブラー錠の場合、磁石の反発でタンブラーが動くようになっているために、鍵とタンブラー同士が物理的に接触をする必要がないのです。そうなると当然のことながら、鍵穴内にタンブラーを露出させる必要もないということになります。その結果、ピッキングで使用するところのピックと称する専用の工具を例え鍵穴に差し込んだとしても、タンブラーを引っ込めるといった裏技が通用しないということにもなってしまうのです。そうなると、従来からのディスクシリンダーはピッキングに弱いという致命的なデメリットがありましたが、ディスクシリンダー錠のデメリットを全て覆すような画期的な施錠システムであると言うこともできるでしょうね。ただし磁石にN極とS極しかないために、鍵違い数という面では限定されてしまうのです。